質問が下手なのである。
モノを見るとき 色だったり質感だったり
さわれるものであれば 温度だったり 手のり感だったり
出元とか素材とか ときに用途でもなく
よいと思えばよいので またそれが同じ国につながるものであったり
結局は同じ素材であったりするのだけれど
それはどこか 記号とか符号のような気がするので。
店名とか屋号とかも それぞれの思いはあるはずなのだけれど
どこか その思いとは 距離をおいておいてもよいような気もして
聞かず話さずになっていたりもする。各方面 興味なさそでごめんなさいね。
den/nibiiro は 田 鈍色
den 田 にはじまり 苗や畑などにもあるように
芽吹きいのち生まれるところ
縦軸を天地に 横軸をその間に棲むヒトをさし
十のかたちで世界とし
ヒトの世界を 口で囲うことで ムラ(民族) となる
ムラになることまた古(祈り)とともにあること
nibiiro 鈍色 喪の色 間の色 境界の色
刃が鋭さを失い鈍る
そのまま朽ち錆びてゆくもある
その短くも長くもある時間
土に還るか 風に舞うか
粒となって混じり合った色は限りなく灰色で
それでも 粒は色を失わず
朱も紅も青も碧も黄金の色も
鋭純にむかわず 重なるほどに色は濃く深くなって
もう どこの地のものでなく誰のものでもない色
などと書き始めたら 各方面から 縄文のたより
そうね 忙しく思う気持ちは 縄文分が欠乏していたか
山とともにあったときは山の名前はなく 月も日も歩けばいつもそばにいて
十のままで いれば 祈りはいらずにいたのに
小石に彫られた目鼻は 先にすすむヒト あとにまつヒトを忘れないがため
とどまる土に立った時 遠くに見える 木は 林になり森になり 山になる
山はやがて祈りのモノになり 異界のモノになり 古は祈りのすべ ムラはタネをつなぐ土になる
質問はしてみるものだ。
符号でしかなかったものに色が見えた雪の日。
色とりどりの糸が色あせて見えた日。
小さな石粒がいとおしかった日。
まあ ただのひとりごと。